新型コロナの影響で、マスクが全然手に入らない時期が昨年ありました。

　私の場合、オンラインショップで一番安い物を「見つけた～！」と、喜んでお金を振り込みましたが、中国製でした。その為かどうか分かりませんが、いくら待っても商品のマスクが届きませんでした。おかしいと思って慣れていないパソコンで追跡したのですが、日本に着いた所までは確認でき、三か月前に発送済になっており、その後は確認できませんでした。返金を請求できる期間もとっくに過ぎていました。「あ～ぁ、オンラインはイヤだなぁ」と、つくづく感じました。

　ようやくマスクを手に入れられても、重度障害者である私の場合、喋る時に顔にも独特の筋緊張があるために、何をつけても一瞬で鼻や口からずれ落ちて顎マスクになり、マスクとしての機能が半減してしまいます。そのため、色々な手作りマスクやマスクにはるこちゃん、マウスシールド等々、本当に色々探し求めました。

　そしてやっとたどり着いたのが、このランナーマスクでした。これが一枚1700円もするのですから驚きです。このマスクを洗って干していると、あるヘルパーさんから「これなんですか？腹巻ですか？」と聞かれたので、びっくりしました。そんなに大きくはないのですが、確かに一見腹巻に見えないこともありませんでした。

　この様にマスク一つ取っても、重度障害者の場合、探し求める行動力や経済的な負担が、健常者より掛かってしまいます。マスク費補助制度が欲しいくらいです。私の使いやすいマスクを求める旅は、まだまだ続きそうな気がします。

 

文責：岸田