あいえる協会活動ブログ

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不妊手術、出生前診断、トリアージ・・・ 障害者は殺されてもよい存在なのか?!

あいえる協会 2023年2月17日

この記事は私が作りました 岸田

 

 優生保護法が1996年に母体保護法に改正されてから27年が経ち、優生保護法が違法だったことが、障害当事者からの訴訟裁判でやっと明らかになりました。

 しかし、あいかわらず障害者は不良な子孫、つまり、あってはならない存在として考えられた虐待事件が、2016年に起こった相模原障害者殺傷事件に続き、昨年末、北海道で起こっていたことが、マスコミで取り上げられ明らかになりました。
 事件が起きたのは、社会福祉法人あすなろ福祉会という大きな団体が運営するグループホームです。

 知的障害者の入居者が同棲や結婚を希望した場合、その入居者に避妊リングの装着やパイプカットを強要し、もし断ったら、このグループホームから出て行って欲しいと言われていたそうです。

 その上、グループホームの職員が同行して病院に行かせていたそうです。

 ここまで強要しておきながら、この事件のマスコミ報道の中で「親や家族も同席して説明し、納得してもらっている」とぬけぬけと言っているのです。

 約20年前頃から行われ、実際に手術を受けたのは、8組のカップルで16人にもなるそうです。

 何と恐ろしい認識でしょう!

 グループホームでは子供のことまで責任持てないし、支援できないと言われたら親や家族は帰ってこられても面倒見切れない現実があるので、当事者は生きていく場がなくなり不妊手術を受けざるをえないのです。

 障害者も可能な限り子供を産み育てる権利と責任が、健常者と同じようにあるのだという、当たり前の人権意識が、あすなろ福祉会にはないのです。

 このように、障害者も健常者も同じ社会の中で生活していく権利が、日本の社会にはまだまだ根づいていないのです。

 それどころか、すべての妊婦に出生前診断を受けさせ、障害児を産ませない社会づくりが進められています。

 このコロナ禍では医療逼迫化が起こり、非常時ではトリアージ(命の選別)が現に行われてきています。

 そして行政の動きとしては、統合教育に反して分離教育をこれからも進めていくと表明しています。

 このような幼いころからの分離は、一生涯の分離に繋がり、障害者と健常者が共に生きる社会にはならず、優生思想がはびこり、命の選別に繋がり、命の存在が危なくなり、戦争などへと繋がっていく道筋が見え見えです。

 戦争は命を物と化し、その結果として、生産能力がない障害者は戦力にならず、一番に殺されていくのです。

 このように危ない世界の動きに抗うことが出来るのは、障害者の存在だと思います。

 今こそ、障害者の生の声をこの社会に届け、平和な社会の在り方を、障害者も含めて考えていきたいものです。