あいえる協会活動ブログ
活動内容から日常の出来事まで、いろいろな「あいえる協会」をお伝えします!
ヘルパーさんと地域で❝自分らしい生活❞を!~藤本さんの❝好き❞に迫ってみた!!~
あいえる協会 2022年10月13日
昨年度に引き続き、藤本さんの“好き”から生活に迫っていく連載。
今回は、藤本さんが楽しみにしている“旅行”について、お伝えしていきます!
話を遡る事4年以上前。
「私、取材旅行に行ってみたいんだよねぇ」
「いろいろ行ってみたいところがあるんだ」
「源泉のかけ流しとか体験してみたいんだよね」
「秘境とか僻地とか、そういうところに憧れるんだよね」
そんなふんわりした相談という名の雑談をしている中で、藤本さんがやりたい事がだんだんと判明していきました。
「一人で旅行したことがない!旅行に行ってみたい!!」
利用者さんの思いに常に沿って、“できるか、できないか”を考えるのではなく、“どうやったらできるのか”を考えるのが法人の方針です。
どうやったら藤本さんの思いをかなえることができるのか?を長期スパンで考える支援が始まりました。
☆先立つ物がなければ物事は始まらない☆ |
旅行するにあたって、まず必要な物が“お金”です。
旅行に行きたいなぁと話をし始めた当初、藤本さんは貯金をしたことがありませんでした。
お金の使い方を一緒に考える中で、貯金方法についても藤本さんが一番負担にならない形を考えていきました。
なかなか“まとまった金額のお金を貯める”ことを想像することが難しかったので、普段身近な1000円を引き合いに出して考えました。
この形に至るまでにいろいろな形を試しましたが、藤本さんは、羅列した数字を見るだけよりも、目に見えて貯まっていくのを感じられる方が、お金が貯まったことを認識しやすいことが分かり、この形で貯金を続けました。
藤本さんは倹約家なので、こつこつとお金を貯め、やっと旅行に行けるだけのまとまったお金が貯まったなと思った矢先に、世界を揺るがしたあの出来事が訪れたのでした。
☆旅行の計画が全て一旦白紙に☆~いつ終わるかわからないコロナ襲来~ |
2020年1月。日本にコロナが襲来し、緊急事態宣言が出され、毎日テレビのニュースで外出自粛要請の話が上がり、日中の作業所も閉所になり、全てがコロナに振り回されるような生活が訪れました。
もちろん藤本さんも例外ではなく、旅行の話どころではなくなってしまいました。
旅行の話をしたくても目処を立てることができず、藤本さんも悶々とした思いを抱えたまま日々を過ごしておられました。
ただ、藤本さんも世情に負けることなく不屈の精神を持ち、何度も訪れる緊急事態宣言、まん延防止等重点措置にも決して諦めることはなくコツコツとお金を貯め続け、2年間旅先の情報を収集し続けておられました。
その時の藤本さんのブームに合わせて、行きたいところ、やりたい事、その土地ならではのバリア、難しさなどが変化し、相談を受けるたびに支援者と一緒に、どうしたら立ち向かえるか考えながら、鬱屈とした思いを晴らしていました。
そして念願叶い、少しずつ行動制限も解禁され、藤本さんの口からはっきりと要望があふれ出てきました。
「私、相模原と横浜に旅行に行きたいんだよね」
その言葉は、2年分の鬱屈としたものを経て、重みのあるものへと変化していました。
☆旅先の知識を蓄えよう☆~先人の知恵は素晴らしきかな~ |
あいえる協会では今から6年前におきた相模原障がい者施設殺人事件を忘れない活動をおこなっています。
ずっとあいえる協会の生き字引、先駆者として障害者運動の第一線を今も駆け続けておられるみっちゃんに、この凄惨な事件について詳しく詳細を教えていただきました。
☆旅行の醍醐味ってなんですか☆~トラベルも一転すれば~ |
勉強しながら知識を蓄える傍ら、旅行の準備も着々と進めていきました。
大枠がだいたい決まったので、いざ、旅行会社へ!
旅行会社の方はとても親身になってくださり、車いすならではの問題や考えられるものを提示してくださった上で、こんな素敵な言葉を伝えてくださいました。
「旅行って英語でなんて言うか知ってます?トラベルっていうんですよ。トラベルって一文字変わると何になるかわかります?…トラブルになるんです。予想外のことをどーんと楽しんでこその旅行です!楽しんできてください!」
色々な問題や困難を乗り越えて、ようやく旅行の目処がたち、あとは旅行の調べ物をしながら旅行を待つ日々です。
「私は行くよ、どんな問題が起きようともそれに立ち向かうんだ!!」
闘志に燃える藤本さんの、人生初旅行の行く先はどうなるのでしょうか…
それは次回のブログのお楽しみ…。
「私が行かなきゃ誰が行くのよ!」――藤本さん
あなたも誰かのワクワクするような“初めて”に立ち会ってみませんか?