あいえる協会活動ブログ

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長渕剛のライブ?支援者側から

あいえる協会 2022年8月9日

 地域で長年ご夫婦で暮らしている片山寿生さんは、長渕剛のファンになって幾十年。

 長渕剛がコンサートツアーをすることを知り、ヘルパーさんと一緒に情報を集め、申し込むと見事当選!

 チケットの当選のお知らせが来た4月ごろに、こういった相談がありました。

 ということで、一緒に情報を確認しました。

 日程は6/23(木)、フェスティバルホールで開催されるというのがわかったので調整していく事に。

 まずは開場時間や開演時間の確認!

 長渕剛のコンサートは、もしかしたらアンコールとか長くやるかも…など、そのあたりも考慮して、派遣時間や日中活動から帰ってきてからの出発時間の想定をしていきました。

 当日どういった支援が必要で、いつもしていること(入浴や食事作り)をどうするか、帰宅時間によって出来る事は何かなどを確認していきました。

 また、ご夫婦での生活なので、奥様や当日奥様に入るヘルパーさんへも、その日の大まかな流れがわかるようにしていこうという話になりました。

 ある程度決まったら、ヘルパーさんへ、いつもより終了時間が伸びてしまうが、対応してもらう事が可能かを聞いたりして、当日対応して頂ける方を調整していきました。

 今まで長渕剛のコンサートに2回行ったことのある寿生さんなので、経験を活かしながら、想定できることを一緒に考えたり調べたりを進める事が出来ました。

 が、その中でも初めての経験になる事があり、心配になることが大きく2つ出てきました。

 心配なくコンサートに行けるように、一緒に解決できるように動いていく事にしました。

 

 

①会場について

 

 会場までの行き方に関しては、支援者や当事者スタッフと一緒に、会場まで下見してみる事に。

 ルートを事前に調べ、いくつか候補を考え、行きは「出来るだけ乗り継ぎが少ない方がいいかな」という事で、淀屋橋で降りてそこから会場に。

 あらかじめ調べていたのですが、地上に上がるエレベーターの位置がわからなかったり、トイレに行きたいが多目的トイレが埋まっていた為捜し歩いたりなど、トラブルもありましたが、1時間少しほどで目的地のフェスティバルホールにたどり着けました。

 昼食を食べたあと、帰りは違うルートでも試してみましょう、ということで、肥後橋から帰るルートで1つ1つ心配事を確認して家路につきました。

 

 鉄は熱いうちに打てとも言われますので、帰宅後どちらが良いか寿生さんと確認すると、

「肥後橋はフェスティバルホールと地下が直結していた。もし雨でもカッパの着脱のわずらわしさを減らせて良い」

 とのことで、肥後橋ルートで行く事に決まりました。

 時間の目算も立てられたことで、まずここは一安心。

 

 またもう一つの不安として、会場に車いす席が用意されているかどうかが問題に。

 わからない事は聞いてみようとチケット会社に連絡すると「そのことは主催会社に連絡してください」とのこと。

 すぐ主催会社に連絡するも、全然つながらない…。

 さらに調べると、コロナの影響で月曜と金曜の12:00~18:00の時間しか、電話での受付をしていないとのこと…。

 担当者と寿生さんの予定もあり、なかなか時間が取れなかったのですが、寿生さんの目的を達成したい想いが通じて、なんとか時間を作り、電話をかけ、事情を説明。

 「車いすの方が参加されるのは承知しましたが、チケットの席がわかればまた連絡ください」との事でした。

 チケット番号がわかったのは、コンサート当日の1週間ほど前。

 電話をかけられるチャンスが1回しかなかったので、お互いにドキドキしましたが、無事繋がり、お伝えすることが出来ました。

 

 

②チケットについて

 

 続いてチケット問題。

 今までの寿生さんが参加したコンサートと違い、時代は紙のチケットではなく電子チケット。

 そしてもちろん、同行してくれるヘルパーさんの分も電子チケット。

 紙のチケットだとそのまま持って行けば良いだけだったのですが、電子チケットとなると、分配専用のアカウントの作成や、分配方法などをどうするのかが、寿生さんにとって超えないといけない壁になりました。

 法人の基本的なルールとして、トラブルにならないよう、利用者さんとヘルパーさんでの連絡先の交換をしないことにしているので、ヘルパーさんのスマホを使わないで済むにはどういった方法があるかを考えていく事に。

 寿生さん、支援者間でも頭をひねっていると、一つの案が。

 寿生さんはスマホとタブレットを持っている!

 一台に当日のヘルパーさん用のアカウントを作成して、そこに分配するという方法をとることに。

 タブレットはネット契約をしていないので、テザリングが出来るかなども調べながら進めていきました。

 チケット会社にも連絡して、登録名や住所などは同行ヘルパーの物である必要があるが、端末に関してはこの方法でも問題ない事を確認。

 方法だけは確認しておき、ヘルパーの変更の可能性なども考慮して、設定などは当日にすることにして、チケット問題も力を合わせてクリアできました。

 

 

当日の感想

 会場までは大きなトラブルもなく、時間に余裕をもってたどり着くことができました。

 食事もとる余裕もあって下見に行っておいてよかったです。

 チケットはちょっと手間取ったけど、スタッフの人が丁寧に対応してくれたおかげで無事入場できて良かったです。

 コンサートはとても楽しかった!ただ、車いすから見ているので、前の人が立つとステージが見えないのがとても残念でした。

 記念にグッズを妻の分と自分用にTシャツを2枚購入しました。お気に入りでよく着ています。

 更に詳しいことは、ピア・エンジンの取材を見てください。

 

 

 コンサートを楽しむことが出来たとお話ししているのを見られた事は、こちらもうれしくなりました。

 会場に関しては、他のお客さんが盛り上がりスタンディングすると、車いすの人はステージが見えないというのは、どこまでを合理的配慮とするのか難しい問題だなとも思います。

 車いす席を少し高くするなど、それが必要な人の目線に立った設備が出来るような、公平な社会なっていけばと思います。

 実際に、このように地域へ出て様々な事を経験される事で、その当事者の目線でこそわかる事があると思います。

 そういった声を拾い上げ、誰にとっても過ごしやすい街にしていく事が、大切だと感じました。

 今回も下見を一緒にしたり、寿生さんからの話を聞く事で、改めて気付く事が出来たことが沢山あります。

 そういった気付きや発信を伝えていく事が出来れば、そしてその為にも、今後も施設からの地域移行を進め、地域で暮らす人の、当たり前の生活を支える支援を、心掛けていきたいと思います。