あいえる協会活動ブログ
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ヘルパーさんと地域で❝自分らしい生活❞を!~藤本さんの❝好き❞に迫ってみた!!~
あいえる協会 2021年10月15日
障害当事者の方の“好き”や“楽しい”を実現させるため、実際にヘルパーさんがどのようなことをしているのか??をモットーに、藤本さんの生活を取材していく、今年度の連載。
前回は、藤本さんが大切にしている趣味の一つ、読書と執筆について迫りました。
今回は、藤本さんが大好きな“外出”について迫ります!!(取材者:中野)
時を遡る事数カ月前。
藤本さんから中野に相談がありました。
「毎年行っている綾小路きみまろのコンサートに今年も参加したいんだけど」
藤本さんはきみまろの“毒舌”が大好きなようです!!
「いいじゃないですか、コンサート行けるように一緒に手続きしましょう!」
しかし、コンサートのチケットは、簡単に取れるものではありません。
皆さんは、コンサート施設や会場において“車いす席”の倍率をご存じでしょうか?
全国のコンサートホールが検索できるサイトで確認してみたところ、大体1800人~2000人の収容率のホールで車いす席は3~14席、平均して6~8席くらいなのが現実です。
近年出来たホールの中では、席のシート自体が着脱式になっていて、車いす席に対応してくれるホールもありますが、なかなか浸透していないのが現実です。
また、綾小路きみまろのコンサートは年配の方にも人気が高く、車いす席の競争倍率は非常に高めです。
加えてこのコロナ禍、ソーシャルディスタンスをとるために会場の収容人数自体に制限があり、例年以上に難しく、車いすに乗っている方のチケット獲得は簡単にできることではありません。
チケット販売開始時間前から待機し、受付時刻と同時に二人で電話…
『はい、車いす席はまだ空いております!!』
「予約お願いします!!」
運よく、チケットを取ることができました!!
しかし、コロナ禍による緊急事態宣言、まん延防止法により、次々と中止になるイベントも…
その前に行く予定だった落語の公演は中止になり、もしかしてきみまろも…と若干諦めムードも漂っていた為、“サイトからのお知らせ”を連日のように確認していると、こんな吉報が!!!
強運の持ち主藤本さん。その運で無事チケットを手にし、コンサートを楽しむことが出来ました!!
藤本さんに聞いてみた!コンサートの感想は??
沢山の辛辣なブラックジョークを聞いた満面の笑みの藤本さんです。
また、公演当日にヘルパーに入ってくださった方から、レポートをいただきました。
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当日、お気に入りのワンピースを着て岸和田へ出発。
岸和田のマクドナルドでパンケーキを召し上がられ、いざ、浪切ホールへ!!
会場内では間隔を空けての着席だったのでゆったりと鑑賞し、たくさん笑い楽しまれていました。
新今宮で地下鉄から南海本線に乗り換える際、帰路に利用予定のホームが工事中の為エレベーターが使えない状態だった為、天下茶屋駅で途中下車をして南海高野線に乗り換える必要があるとの情報を知りました。
「利用前に情報を得ることができて良かったですね」と本人様とはお話しましたが、ヘルパーとしては、切符を買う時点で工事中と分かるような案内が、南海線各駅にあれば良いのにと思いました。
帰りの電車で乗り換える際、駅員さんに「堺筋線天下茶屋駅のエレベーターが、近々工事の為使えなくなるので、ご注意ください」と声をかけられ、車いす利用の方は本当に移動するのも大変だなぁとつくづく感じるのとともに、他の鉄道会社との工事時期がせめて重ならないように配慮してほしいと感じました。
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社会に潜む“ちいさな壁”に、健常者はなかなか気づくことはできません。
“ちょっと大回りすればいいや”、“階段を登ればいいや”、で済む話でも、車いすに乗る方にとってはとても大きく立ちはだかる壁になります。
行きたいところに行きたい、でも諦めるしかない…そんな風に思ってしまうのは簡単ですが、“諦めてしまえ”という世間の風潮は一人の人間として当たり前に生きていくための人権を損なっている事になるのです。
“できない”と諦めるのではなく、“どうしたらできるのか”と考えること。一緒に行動して、“気づく”ことと“声を上げていく”こと。
様々な背景を持つ人が一緒に生きていく社会にするためには、その社会の小さき声に耳を傾け、1人でも多くの人に聞こえるよう大きな声を上げていく“運動”が必要なのではないでしょうか。
今回は、藤本さんが大好きな“外出”について迫りました。
次回は、藤本さんの魂を込めた“取材活動”に迫ります!!
“一人一人幸せな価値観は違っていていい”———乙武洋匡
あなたも“幸せ”な瞬間に寄り添ってみませんか??