あいえる協会活動ブログ

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牧口 一二さんを偲んで

あいえる協会 2024年10月15日

この記事は私が書きました:みっちゃん

 

 『バリバラ』の前身である『きらっといきる』に出演され、ゆめ風基金の理事を務める等、様々な障害者運動に携わってこられた牧口 一二(まきぐち いちじ)さんが、9月26日午前7時に亡くなられました。享年87歳でした。

 

 今、大阪の地下鉄には、当たり前のようにエレベーターや車椅子トイレなどが設置されています。

 これは、1970年代に、牧口さんが代表を務め、私や仲間達と一緒に取り組んだ『誰でも乗れる地下鉄をつくる会』の活動があったからです。

 この活動を始めた頃は、大阪の地下鉄は階段だらけで、エレベーターがないのは当たり前でした。

 通行人に呼び掛けて二・三人集め、同行してくれているボランティアと四人で、車椅子ごとおみこしの様に持ち上げてもらうのが日常でした。

 誰か一人でもバランスを崩したり蹴躓いたりして、事故になる危険性が常につきもので、外出するにも命がけでした。

 この運動に、約4年間、粘り強く取組みました。

 交通局の人達に、実際に階段だらけの地下鉄に車椅子で乗ってみてもらう試乗会を行い、その怖さを体験してもらったり、難波や天王寺で署名活動なども行い、高齢者やベビーカーを利用する人たちを巻き込んだ、幅広い市民運動を展開していったのです。

 その結果、1980年、日本で初めて、車椅子用でありながら、誰でも乗れるオープン型のエレベーターが、地下鉄谷町線の喜連瓜破駅に設置されました。

 

 牧口さんは、このような活動以外にも、全国の小中学校などへ講演活動に取り組まれ、1000校以上の学校を訪問されました。

 牧口さんは、「障害者のプラス面を考えよう!」とか、「ちがうことこそばんざい!」という考え方で、人間の在り方を一生涯問い続けられました。

 また、障がい者の存在は『雨』とそっくりだとおっしゃっていました。

 雨は色々な場面で嫌われますが、地球や人間にとって雨という水は、なくては生きていけないのです。

 雨は多すぎても少なすぎても困るのです。

 現在、ゲリラ豪雨や酷暑などの異常気象が増えて、私たちの社会や生活を脅かしています。

 その結果、多くの人が亡くなられたり、後遺症で障がい者になってしまっているのです。

 また、旧優生保護法や新出生前診断などにより、障害者の存在を抹殺する方向で、この社会は進んでいます。

 このような自然破壊の怖さや障害者の在り方を、常に私たちに教えてくれたのが、牧口さんでした。

 

 牧口さん、本当にありがとうございました。

 残された私たちも、牧口さんの考え方を受け継ぎ、障害者運動を進めていきたいと思います。

「牧口さ~ん!これからも、いつも見守っていて下さいね」